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30年前のことである。六本木で日本語会話教室を開いた。今と違って教材も無く、独自で手作りした。生徒さんの募集も手描きポスターだった。一番弱ったのは、私自身の言葉の訛りである。私は九州の出身だから、アクセントがすべて前に来る。橋も端も、買うも飼うも全て同じ発音になってしまう。今思うと赤面ものである。ただ日本語に対する情熱だけは人一倍強かったからか、大使館の書記官や外国人教授、特派員らが集まってくれた。出来の良い生徒さんから逆にアクセントの講義を受けたことも何度かある。身勝手な解釈が許されるならば、ダメ先生、よき生徒一体になった国際交流教育ではなかったか、と思う。 |
あれから30年。想像だにしなかったインターネット社会が到来し、私達はかつて手にしたことが無い恩恵を享受している。しかし、グロバールという便利な語彙が飛び交いスピードばかりが価値の象徴とされる時代風潮のなかにあって、私は30年前にキューバの特派員の生徒さんが云った強烈な言葉を今も忘れない。『Mr.吉野よ。民族には文化がある。いくら貧しくともそれが誇りである。人間を人間ならしめる真の力だ。キューバの私達は会話の為に日本語を学ぶのではない。2000年の日本文化を学ぶのだ。なぜならお互いに知り合うことではじめて世界の平和が可能になるのだ。だから吉野先生、誇りある日本を代表し我々を厳しく指導してくれ。』 私は、教育の魂をこのときはじめて教えられた。 メディア総合研究所の語学教育センターは、翻訳というコミュニケーション技術を磨くことで世界文化の創造に貢献しようという方々のために設立されたものであります。弊社の語学教育センターでより高い翻訳技術を学ばれてビジネスに生かされんことを、また翻訳教育を通し自己研鑚されることで『日本のあなたから世界のあなたへ』大きく飛翔されんことを、是非祈念申し上げます。 2003年7月吉日 |
| 株式会社メディア総合研究所 代表取締役社長 吉野 眞弘 |
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